ターボフルテスト・その1


■ テスト条件など ■

ツインターボ・スーバーチャージャーのテストデータです。参考用に複数のターボを組み合わせた例、およびボアアップやハイカムのテストも掲載しました。シングルターボのデータはターボフルテスト・その2を見てください。

テスト車はCVC1600にしてみました。各ターボの性格の違いをわかりやすく見れるように、以下の点に留意してエンジンを選んでいます。


1.できるだけフラットなトルク特性(なおかつ高回転までよく伸びてること)
2.300ps、600psで性能曲線図のスケールが変わってしまうため、ターボ一つ追加でスケールが変わらない馬力であること


ピストンはターボ・スーパーチャージャーは全てLoComp/-1を使用しています。



■ ノーマル状態(BA16エンジン)

性能曲線図 コメント他
EBA16エンジン・ノーマルの性能曲線図 BA16 14.669sec

ノーマル状態のBA16エンジンです。やや右上がりですが、綺麗なフラットトルクです。7500回転から上の落ち方がわずかに急なのが惜しいですが、これ以上を求めるのは贅沢ですよね(笑)。




■ ツインターボ

性能曲線図 コメント他
Twinsの性能曲線図 Twins 13.292sec 8kg

「ツインターボ(小型×2)
低回転域でのパワーが大きく向上 圧縮比+1」

説明では低回転域となっていますが、実際は中回転域に近いところから大きくパワーアップしています。そのまま高回転域までフラットにパワーアップしており、効果範囲が広いターボです。
DoubleImpactの性能曲線図 DoubleImpact 13.269sec 12kg

「ツインターボ(中型×2)
中回転域でのパワーが大きく向上 圧縮比+1」

説明通り中回転域で大きくパワーアップしています。Twinsより効き始めが遅いですが、中高回転域でのトルクアップはTwinsを上回っています。高回転でもしっかり効いており、Twinsと似て使いやすいターボです。
Venus&Marsの性能曲線図 Venus&Mars 13.369sec 16kg

「ツインターボ(大型×2)
高回転域でのパワーが大きく向上 圧縮比+1」

DoubleImpactよりさらに効き始めが遅いですが、ピークパワーは最高の293.0psをマークしました。他のツインターボに比べると効果範囲が狭いですが、超大型ターボとしては際立って使いやすく優秀な特性です。
Pegasusの性能曲線図 Pegasus 13.269sec 12kg

「シーケンシャルツインターボ
小型ターボ+大型ターボのツイン 圧縮比+1」

効き始めはTwinsと似ており、DoubleImpactを上回る中回転域トルクアップをみせ、5500回転でピークに達した後はトルクが落ちていきます。ほとんどのターボは一度効き始めれば高回転まで伸びるのですが、これは少し落ちてしまいます。
Meteorの性能曲線図 Meteor 13.469sec 12kg

「ツインターボ(中型×2)
中回転域でのパワーが大きく向上 圧縮比+1」

4500回転をピークにした山型のトルク特性になりました。ピークトルクは最大の28.4kgをマークしています。高回転でのダウンが目立ちますが、Neptuneをも凌ぐ中回転域のトルクアップは他では得られません。




■ スーパーチャージャー

性能曲線図 コメント他
Acilles-SCの性能曲線図 Acilles-SC 13.825sec 18kg

「小型スーパーチャージャー
低回転域でのトルクが向上 圧縮比 +1」

極低回転域からトルクがアップしています。3000回転で最大トルクを発生しますが、トルク値は控えめです。最大パワーを見る限り、高回転域でもノーマルよりは少しトルクが増えているようです。
Titan-SCの性能曲線図 Titan-SC 13.336sec 26kg

「中型スーパーチャージャー
低回転域でのトルクが大きく向上 圧縮比 +1」

Acillesの強化版ですね。最大トルク付近でカーブが少し乱れています。高回転域でもよく効いており、7500回転ではNeptuneと同等のトルクが出ています。それ以降の落ち方は少し急です。
Neptune-SCの性能曲線図 Neptune-SC 13.169sec 48kg

「ウルトラチャージャー
爆発的なトルク向上 圧縮比+2」

3000回転で28kgものトルクを発生していますが、グラフの始まりからしてターボとは全然位置が違います。高回転域も落ちてるというより、効きが弱まりつつも最後までちゃんと効いているようです。弱点は突出したその重さでしょう。
Hercules-SCTの性能曲線図 Hercules-SCT 13.092sec 26kg

「スーパーチャージャー+ターボ
全回転域でトルクが向上 圧縮比+1」

ラクダの背中のコブのように、二つの山ができました。低回転での山はNeptuneに及ばず高回転での山もDoubleImpactに及びません。しかし一つで二つ分のタービンの効果が得られるのは、使い方によってはとても強力な武器になります。




■ 複数のターボの組み合わせの例

性能曲線図 コメント他
Twins/DoubleImpact/Venus&Marsの性能曲線図 Twins / DoubleImpact / Venus&Mars
11.958sec 36kg


よく使われる組み合わせだと思います。右上がりになりますが高回転まで伸びた素直なトルクカーブに仕上がります。もちろんベースエンジンの特性にもよりますが、間違いのない組み合わせのひとつでしょう。
Twins/DoubleImpactの性能曲線図 Twins / DoubleImpact 12.392sec 20kg

これは上記の2連ターボ版ですね。パワーバンドが広く扱いやすそうです。この3つのターボは相性が良いので、それぞれ組ませても綺麗なカーブが出てくれることが多いです。大抵はタイムも悪くないはずです。
Hercules-SCT/Venus&Marsの性能曲線図 Hercules-SCT / Venus&Mars 12.236sec 42kg

見事に右上がりのトルクカーブになりました。右下がりの特性のエンジンも多いので、この組み合わせで綺麗なトルク特性がでることもよくあります。
実は低回転域もターボのみの組み合わせよりトルクが上です。低回転を補強しつつ高回転も伸ばしたいというときにも有効です。
Venus&Mars/Big-Bang/32-Rocketの性能曲線図 Venus&Mars / Big-Bang / 32-Rocket
12.925sec 44kg


最高速チャレンジの時などに使うことがある組み合わせです。とにかく高回転でのパワーが重要なので、ゼロヨンタイムは無視してでもこのようなセットを使ったりします。
ECUで無理に上まで回すので、たいていのエンジンはトップエンドで大きくトルクが落ち込みます。これでも足りないくらいです(笑)。
DoubleImpact/Pegasus/Meteorの性能曲線図 DoubleImpact / Pegasus / Meteor
12.069sec 36kg


中回転域フルブースト型です。中域に大きな山のあるエンジンのゼロヨンタイムを追求すると、このような組み合わせになることがあります。
ゼロヨンタイムに関しては、フラットな特性よりもこのようなチューンのほうがより良いタイムが出ることも多いです。




■ ターボ以外の参考用データ

ハイカム用のピストンは、(低)はLoComp/-1、(高)はHiComp/1を使用しています。

性能曲線図 コメント他
BoreUp/400の性能曲線図 BoreUp/400 14.092sec

「400ccボアアップ
排気量を400cc増やしてトルクを向上させる」

ノーマル状態をそのまま上にシフトしたカーブですね。単体ではこれだけタイム向上するのに、チューンが進むとボアアップでさえ加速劣化の原因になります。最後にはターボ追加でも加速劣化しますが(笑)。
HiCam-H/-2の性能曲線図 HiCam-H/-2 14.892sec(低) 14.892sec(高)

「高速型ハイリフトカム
吸排気効率を高めてパワー向上
高圧縮ピストンとセットで使用」

説明とは逆に低圧縮ピストンとセットでないと効果が少なくなることが多いです。性能曲線やトルク・パワー値は超大型ターボとそっくりですがタイムは、うーん……。
HiCam-M/-2の性能曲線図 HiCam-M/-2 14.469sec(低) 14.892sec(高)

「中速型ハイリフトカム
吸排気効率を高めてパワー向上
高圧縮ピストンとセットで使用」

わずかにタイム向上していますが、この程度ではすぐ加速劣化の原因になりそうです。見かけのパワーやトルクは立派なのですが……。
HiCam-L/-2の性能曲線図 HiCam-L/-2 14.425sec(低) 14.892sec(高)

「低速型ハイリフトカム
吸排気効率を高めてパワー向上
高圧縮ピストンとセットで使用」

ハイカムの中では最もタイムが向上しました。NAチューンの辛い点は、このハイカムとボアアップ程度しか有効なチューンがないことですね。ターボに比べると驚異的に効率が悪いです(汗)。

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