辻本X1800及び加速劣化パーツについて


■ 辻本X1800 ■

前回に続き、またもX1800を取り上げてみました。虎口マシンについてテストしている最中に「辻本マシンとどっちが速いんだろう?」と興味がわいてきたからです。さて、X1800のベストマシンは、果たして虎口か辻本か?

● 辻本X1800のSPEC
E: C18A-T
[DoubleImpact] [Venus&Mars] [EXT-75] [Hi-Tech] [LoComp/-1]
C: type-13S
[Monza] [Independense] [SpeedTech-S] [Type-RS]
B: X1800
[BlueViolet] [Aero-OLD] [NR Sticker]

Power 429.5 ps
Weight 1236 kg
PWR 2.8 kg/ps
0-400m 12.136 sec
MaxSpeed 269 km/h

ふむふむ、パワーでは虎口マシンを上回っているのですね。しかしゼロヨンタイムが少し遅いです。虎口仕様では11.925だったのに0.2秒ほど遅くなっています。マシンのパーツ構成を見ると、マフラーを使っていることがわかります。恐らくこれが原因でしょう。試しに外してみると……

11.925になりました。そしてこれは虎口マシンと全く同じタイムです。前回のテスト時にもDoubleImpactとVenus&Mars、Slashの組み合わせは同じタイムを記録していました。その結果通りと言えます。

虎口仕様と辻本仕様はエンジンに関してはほぼ同等の性能と言えるでしょう。どちらもX1800のターボチューンのお手本ともいえるチューンが施されています。差は辻本マシンのマフラー装着による加速劣化だけでした。今回は、この「加速劣化パーツ」についてもう少し掘り下げてみたいと思います。



■ 加速劣化パーツ ■

単体で装着するなら僅かながら加速アップしてくれるのに、他のパーツと組み合わせると加速を鈍らせる働きをする「加速劣化パーツ」。数値上の馬力やトルクは上がりますし、性能曲線でも劣化はわかりません。知らないと、ついつい余ってるソケットに装着してしまうでしょう。

このようなパーツはマフラーのほかに「エアクリーナー」「高圧縮ピストン」「ポート研磨」があります。装着すると馬力やトルクの数値を増やしてくれるのですが、加速力が鈍るのでは意味がありませんね。

辻本マシンを実験台にして、加速劣化パーツがどのようなものか見てみましょう。

EXT-75の位置にエアクリーナーやマフラーを取り付けてテストしてみました。

422.9ps / 51.0kgm / 11.925sec 無し
422.9ps / 52.1kgm / 12.169sec UltraFilter
432.8ps / 52.1kgm / 12.092sec AirImpact
429.5ps / 51.8kgm / 12.136sec EXT-75
429.5ps / 51.7kgm / 12.092sec ARROW-JET
432.8ps / 51.7kgm / 12.136sec PortPolish

同じ加速劣化パーツでも、もともとが高性能なパーツのほうが加速力低下が少ないようです。なので、UltraFilterを付けた状態からAirImpactに付け変えると、みかけ上「加速力アップ」したようにみえます。

ソケットが1つ余ってるので、エアクリーナーとマフラーのセットも試してみました。

439.5ps / 53.0kgm / 12.292sec AirImpact+ARROW-JET
429.5ps / 51.8kgm / 12.369sec UltraFilter+EXT-75

虎口マシンのテスト中に明らかになった、ソケット位置による加速力低下も合わせてみます。一度EXT-75の位置のパーツを外し、残りのパーツを前につめて最後の二つのソケットにUltraFilterとEXT-75をセットしてみました。

429.5ps / 51.8kgm / 12.469sec UltraFilter+EXT-75(セット位置最後)



■ 加速劣化パーツは不要? ■

とはいえ、これらのパーツも必ずしもダメというわけではありません。一度エンジンのパーツを全て外して1つずつセットしてみます。

175.0ps / 23.0kgm / 14.792sec 無し(エンジンノーマル状態)
175.0ps / 23.2kgm / 14.758sec UltraFilter
185.5ps / 23.6kgm / 14.692sec AirImpact
182.0ps / 24.0kgm / 14.692sec EXT-75
182.0ps / 23.9kgm / 14.669sec ARROW-JET
182.0ps / 23.9kgm / 14.692sec PortPolish
189.0ps / 24.8kgm / 14.669sec HiComp/1

単体で使用すれば、どれもキチンと加速アップに貢献してくれます。
続いてセットでのテストです。

192.5ps / 24.6kgm / 14.592sec AirImpact+ARROW-JET
182.0ps / 24.2kgm / 14.692sec UltraFilter+EXT-75

199.5ps / 25.5kgm / 14.569sec AirImpact+ARROW-JET+PortPolish

どうやらここまでが限界のようです。これ以上はどのパーツをセットしても劣化が生じてきます。例えばこの後にボアアップ400を追加したとします。タイムは14.425になりました。速くなっているように見えますが、実はボアアップ単体であれば14.092が出るのです。

ソケットが余っているからと無闇にエアクリーナーやマフラーを装着しないほうがいいです。確実に加速力アップが見込めるパーツだけを装着し、場合によっては無理にソケットを埋めようとせずに空けたままにしておくほうが正解だったりします。



■ パーツのセット位置による影響について ■

虎口マシンのテストで明らかになった、パーツ装着時のソケット位置による加速力低下についてですが、まだはっきりと法則がみえていません。
現状でわかったことは以下のようなことです。

1.ターボ、スーパーチャージャーは先頭に
2.低圧縮ピストンは最後に
3.潤滑剤、フライホイールはあまり位置の影響を受けない(ピストンの後ろでも大丈夫なようです)

この3点に則ってセットしていけば、大きく間違うことはないと思います。パーツの組み合わせ数が多すぎてテストしきれていませんが、何かまた判明したら報告していきたいと思ってます。

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